Top > おはなし > コンサイス「ROLLING SLEEVE CUTTER」
ボールペン?と思わせておいて、実はカッターなのでした。
コンサイスというと計算尺のメーカーとして耳なじみある方もいらっしゃると思いますが、メーカーサイトを見てみるとフライトコンピューターから耳栓までと、思った以上に手広くいろんなものを作っているのには驚いてしまいました。そんな驚きのコンサイスから出ている文房具の1つに、今回の「ROLLING SLEEVE CUTTER」があります。
お値段は少々高めの3800円(税抜)。見た目はちょっと高めのボールペンに見えますが、キャップを開けてみるとシャープペンのような口金があり、グリップ部分を回すとガイドパイプから0.5mmサイズのカッターの刃が繰り出されます。しかもこのサイズで刃先が回転する曲線カッターになっていて、細かい曲線も華麗に切り抜いてくれる実力派。超小型カッターなので厚い紙には対応できないところはありますが、薄い紙やスクリーントーンのようなフィルムの細かい切り抜きにかけてはかなりの威力を発揮してくれます。テンプレートと併用できることもこの超小型サイズならではの持ち味です。
繰り出し量としては0.5mm〜1mmが適切らしく、あまり長いと刃先がうまく回ってくれないですし、短すぎると紙にパイプが当たってしまいカッターとして機能しないので、そのあたりの加減が難しいところ。ペン型にはなってますが、シャープペンやボールペンのような筆記具とは扱いが異なり、スムーズに回転させるためにもできることなら紙面と垂直にして使うのがおすすめです。
刃先が回転する曲線カッターの扱いは固定式よりも難しく、ましてや0.5mmという極小刃。机から落とすなどの衝撃で破損しやすいというだけではなく、細かすぎて刃先が見えにくいため熟練しないとなかなかうまくコントロールはできません。慣れないうちは慣らし運転をして刃先の位置を確認した後カッティングに入るのがいいでしょう。せっかく買ったので練習はしてみたものの、残念なことに技術不足なのかなかなかなじめず、すっかりお蔵入りになってしまいました。
その後「固定式ならどうにかなるんじゃないか?」と、替え刃のジョイントを切断してぺんてる「Mechanica」の0.5mmに入れて「メカニカッター」として再起をかけて使ってみました。回転刃には刃が立たなかったのですが、刃先の向きが固定される分扱いやすくなり、今ではここぞと言う時の秘密兵器としてすっかり我が家の定番になっています。「Mechanica」は惜しまれつつも製造中止され入手困難になってしまいましたが、0.5mmか0.9mmのシャープペンで先端が収納でき、先端繰り出し時にノックが作動しないという条件を満たしていれば、夢にまで見た高性能先端収納式デザインカッターとしても快適に使えると思います。今なら三菱鉛筆「SHIFT」、ロットリング「800」あたりがおすすめです。ガタ付きが気にならないなら多機能ペンもアリでしょう。キャップ式でも重量感あるぺんてる「KERRY」や安定感のある0.9mm刃も使える「ZOOM 505 sh」あたりも楽しそうです。
750円の替刃でシャープペンをカッターに大変身。うまくいかないシャープペンもあるかもしれませんが、驚きのカッターを体験してみたいという方は試してみる価値はありそうです。