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□ 残り芯を減らす技術

パイロット「CLUTCH POINT」

 記憶にあるところではパイロット「CLUTCH POINT」から始まり、プラチナ「ZeroShin」シリーズで一気に売れっ子機構になったのが、残り芯を少なくする機構です。「残芯○mm」なんてキャッチコピーを見て、購入の基準にされてる方も多いのではないでしょうか?

 言いやすいので「ゼロシン機構」とついつい言ってしまうのですが、それはネーミングの勝利なのであって、この機構の起源は「ZeroShin」よりも前に。もしかすると「CLUTCH POINT」よりも前にあるかもしれないのです。

CLUCH POINT 先端アップ

 最初の頃は「残芯○mm」言うと必ずと言っていいほど「先端部の3本のツメではさむ」タイプでした。メーカーによって呼び方も様々なのですが、「トップチャック機構」と呼ぶとそれっぽい感じがします。先端部のツメでつかみきれなくなるまで芯が保持されるので、芯は0.5mm〜1mmくらいになるまで使えますが、柔らかい芯になるとツメでつかんでいた部分からばっきり折れてしまうという難点があります。ノック時にパイプの上下移動が必要になるので、ノック感も重たくぎこちないです。

ZeroShin 先端(下)+MR-2 先端(上)

 その欠点を克服すべきかのように登場したのが、「ZeroShin」のプラチナによる新機構です。プラチナ以外にも各メーカーで採用されているのですが、どうもピンとくる呼び方が見当たらないので「新ゼロシン機構」と呼ばせてください。こちらはトップチャック機構のように先端にツメを仕込むような見た目にも美しい精密芸ではなく、内部に仕込んだ弁のようなパーツで短くなった芯を抜け落ちない程度に支え、後ろから繰り出されるもう1本の芯で保持していくという、芯と芯との継ぎ目を上手に埋めるリレー方式になっています。残芯は1mm〜3mmくらいと少ない中でもやや多めですが、これは気にならないくらい。それよりも支える側と支えられる側、2本の芯が入っていないと効果を発揮せず、残り芯が引っ込んでしまうのが難点になると思います。

(追記 : 後から繰り出される芯に頼らないと効果を発揮しないため「似非ゼロシン機構」という言い方もあるようです。)

 芯の折れやすささえ気にならなければ残り芯の量、メカメカしさともにトップチャック機構に分があるような気がします。対する新ゼロシン機構は低価格シャープペンにも搭載できてしまうさりげなさとゼロシンらしからぬノック感の軽さが持ち味でしょうか?「サイドノック+残芯少」の実現にも一役買っているので油断はできないのですね。いつのまにかもう、残り芯の存在すら意識しない時代になってきてるのかもしれません。

 1本の芯をできるだけ長く。余った芯を捨てられずにケースに入れて残しているのは貧乏性でしょうか?

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