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□ マルマン「Giuris」

 黒い革を見ると、一番最初に思い浮かぶのはランドセルだったりします。

マルマン「Giuris」下端

 「品質、質感、使いやすさを大切に考えて創りあげたワンランク上のパーソナルステーショナリー」として発売された新製品、マルマン「Giuris」です。A4(3000円)、B5(2500円)、A5(2000円)といろいろなモデルがありますが、今回は学生のみなさんにとってははルーズリーフでおなじみ、B5・26穴用のバインダーです。キャッチフレーズの通り高級感あふれる見た目だけあってお値段もやや高め。質感や使いやすさでどれだけ満足できるかが購入のポイントとなりそうです。

金具インデックス

 言うならば「オトナルーズリーフ」の上位モデルということで、外側だけではなくリーフも96.4g/m^2の最厚口特抄紙と、しっかりしたものが入ってます。一般的な75g/m^2のルーズリーフと比べると厚みがあり、書き味もしっかり。以前にマルマンから発売されていた新王子製紙特選紙96.5g/m^2、高品質圧口紙使用の「ハイクォリティリーフ」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。細かいドットの罫線、2穴ファイルにも対応した角穴など、こだわりどころもいっぱいで、メーカーさんの夢がしっかり詰まった製品のように感じます。これでメモリ入りマージン付き中細罫、無地、5mm方眼、3mm方眼とラインナップがそろうと個人的には完全体なのですが、そこまで一気にわがままを言うわけにはいかないので、まず無地と、人気の5mm方眼あたりから拡張していただけるとうれしいところです。

罫線100枚入り「ARt spiral」との比較

 B5・26穴のバインダーにしてはめずらしくペンホルダー、カードポケットと、持ち歩くことを想定してか手帳のような構成になっていて、バインダー1つ持ち歩くだけで快適な筆記環境が得られます。手帳と違ってゆったりサイズなので、長いペンでも大丈夫ですね。カードポケットが付いていてもこんな大きなバインダーからカードをよいしょと取り出す機会は少ないと思うのですが、そのへんはコピーカード、テレホンカード、カード文具あたりを入れて新しい使い方を試してみるのもいいかもしれません。

カードポケットにカード文具

 カバーは高級感のあるヌメッとした素材になっていて豪華なのに、バインダー自体は厚紙1枚のペラペラというのは、このテの見た目が高級そうなバインダーによくあることで、残念ながら、この「Giuris」もペラペラとまでは言わないながらも、ハードな使用を考えるとツライ部分があります。カバーについては好みもあるとは思いますが、個人的には同じ高級バインダーのパイロット「N26-602」(1200円)と比べ、カバーがくっついて手のひらから浮くような感じがあるのと、柔らかいのかゆるいのか、机の上に置くとカバー自体がゆがんで見えるのがどうもなじめませんでした。バインダー+カバーが持つ柔らかさは犠牲になってしまいますが、もう少し厚めの素材なら良かったのかもしれません。というわけでペンホルダーはあきらめて、外側はブカブカしない1枚合皮、パイロットの「N26-602」を使って、中身を一部「Giuris」に交換して使ってます。

リング

 こだわる方は手帳、A5バインダー、A4バインダーとそろって質実剛健な海外製を選択される方が多いのかもしれません。しかしB5バインダーの場合は、B5規格が海外で普及していないため、海外製の選択肢がなく、国産モデルの力が直に試される場ではないかとも思ってます。確かに、国際規格に合わせてA版に統一してしまうのもひとつの選択かもしれません。そうは言っても、B版は幼少の頃から慣れ親しんだサイズであり、国産にこだわる人にも特別なサイズの1つ。規格ではなく使いやすさで選びたい。そんなこだわり派のB5バインダーで満足できる製品ははまだまだ少ないような気がします。

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