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□ トンボ鉛筆「MONO one」

 コンパクトで回転繰り出し式。新しいアプローチの消しゴムが登場しました。

トンボ鉛筆「MONO one」

 「MONO」シリーズとしては久しぶりとなる消しゴムの新製品。スティック型としても「MONO KNOCK 3.8」以来なので、個人的には10年ぶりくらいの感覚があります。デザインもちゃんと3色ラインしてるところがMONOらしいです。

ストラップ穴

 何と言ってもまずは大きさでしょう。全長約6.6cmのショートボディ。消しゴムを出しても約7cmほど。小型サイズのMONOが約4.8cm、中型サイズのMONOが約5.5cmなので、スティック型でありながら普通の消しゴムに近い感覚で使えるのが新感覚でおもしろいところです。回転繰り出し式ということで、軸を持ってグリップを反時計回りに回すとニョキニョキと。ノック式と比べて、自分の使いやすい長さに楽に調整できるところが回転繰り出し式のいいところ。ストラップ穴まで付いてるという豪華ぶりです。

消しゴム繰り出し

 消しゴムのサイズは6.7mm。ヒノデワシ「まとまるくん ノック式消しゴム」、ロットリング「Tikky Eraser」、ファーバーカステル「pronto eraser」などの太軸ノック式消しゴムそっくりさんシリーズや、「SPiNO」や「FITCURVE」のような回転繰り出し式消しゴム付きシャープペンの多くで使われてるサイズなので互換性に悩むことはないでしょう。新配合で2本で100円の公式リフィル「ER-SSM」にするのも良し、あるいは使い慣れたノック式の消しゴムを切って使うのも良しというところ。似たようなサイズでも実は少し大きめの「E-KNOCK」の太軸や「Mars Plastic」の7.2mm径の消しゴムは入らないので、そこは気をつけてください。

裏面

 消しゴムを繰り出すためのスキマが大きいことにより横ブレしやすいだけではなく、回転繰り出し式という構造上、消しゴムを支える部分が後端にしかないのでゴムの材質による縦ブレも大きいので、おなじみ直方体の消しゴムや「E-KNOCK」などのノック式消しゴムと比べると良く言えばクッション感があって個性的な、悪く言えば不安定な使い心地になるのが気になるところ。この不安定さもあってか、ピンポイントで1文字消そうとすると余計なところまで消えてしまうので、個人的にはもう1段細いゴム(4.8mm)の方が良かったような気がします。もう1つ言うなら転がり止めになる突起部が真ん中にあるので、無造作に机の上に置いた時は美しき3色ラインではなく見たくもないバーコード。何とも惜しいです。

斜めから

 長時間連続して使う筆記具やカッターナイフはまだしも、断続的、一時的に使うことがほとんどの修正液、消しゴム、修正テープ、テープのりにまでラバーグリップを付けられてしまうのは、文房具を使う側にとっては気持ち悪ささえ感じてしまいます。スティック型に関しては「MONO KNOCK 3.8」以来、ラバーグリップの製品だらけになってしまった3.8mmノック式消しゴムからすでにそういった悪習は始まってるのですが、何でもかんでもバカの一つ覚えのようにラバーグリップを付ければ売れるとでも思ってるのでしょうか。誰もが手に取れる低価格な製品ほど、シンプルを突き詰めなければならないハズなのに。必要のない装飾は避けてもらいたいところです。

 製品コンセプトとしてはおもしろいので、次は王座不在の高品位スティック型消しゴムを目指して、金属版での巻き返しなどさらなる進化を期待しています。トンボ鉛筆の本気はこれからだ!

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