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□ 写真撮影のヒミツ

 今回は文房具とは関係なしの、撮影手法のお話です。

 きれいに文房具を撮影するというのはサイト開設当初からの悩みどころで、今でもなかなか難しいところが多く、試行錯誤でいろいろな方法を考えながら撮影してます。文房具の写真をきれいに撮るにはカメラそのものよりも、セッティング(配置、構図)やライティング(光源の位置、当て方)などが重要というのはよく言われてる話ですね。

撮影風景

 写真コーナーのようなシーン撮影は「できれば自然な状態で自然に撮るのがいいよな〜。」というわけで、特別な意図がある時以外はそのまんま撮ってしまっていることがけっこう多かったりしますが、切り抜き前提のワンショットになるとそのままではなかなか思った通りには行かないもので、いろんな方法を試してみた結果、今はこんなセッティングになってます。

L字アクリル板×2

 「光が均一に柔らかくなりますように…」という願いをかけつつ、半分に切ったアクリル板をテープで貼り付けてL字型にしたものを2つ用意して、コの字型に。そしてその上からさらにアクリル板を乗せてぐるっと囲います。こうして見るとアクリル板マニアにしか見えませんが、設置スペースが小さく耐久性もあり、薄くて簡単に折りたためるで収納も楽なのがいいところと思ってます。アクリル板の他にも発泡スチロール、段ボール、金属板など、いろいろな素材で試してみるのも楽しいかもしれません。

アクリル板2枚構成

 下地はこれまたアクリル板。乳白色のアクリル板の上に透明なアクリル板を台(ジェンガ)で約2.5cm浮かせるという2段構成。こうすると文房具の下に出る影が「消える」まではいかないまでもだいぶスッキリするので後々の切り抜きが楽だったりします。影がある方が現実的・印象的な写真になるので必ずしも影を消せば良いというものでもありませんが、そのあたりは好みもあるところなので使い分けでしょう。

透明アクリル板とぺんてる「Ain 軽く消せるタイプ」

 透明なアクリル板そのままで撮影すると角度によって反射が写ることがあるので、ここは紙ヤスリでばーっと削ってひと加工。今のところはうまくいってます。それでも気に入らない場合は、撮影時にもう1枚アクリル板や発泡スチロール、白い紙などを手に持っていろんな角度で反射を調整するのも1つの手段。端から見ると「あの人何やってるんだろう?」ものなんですけどね。

パイロット「S20」と練り消しのかけら

 転がる文房具の固定は「セロテープ」「両面テープ」「練り消し(練りゴム)」が役立ちます。セロテープ、両面テープは使い捨てですが、粘着力がある程度は維持されるため、台にくっつけておくと連続撮影に便利。対してねり消しはつぶれると粘着力が落ちるので連続撮影に向かないものの、ゴミが発生せずエコロジー。場面に応じて使い分けるのも良いでしょう。

 そんな感じでカメラを三脚に取り付けて、2秒タイマーで撮影です。シャープな写真を撮りたい時は絞りを絞って、ソフトな写真を撮りたい時は絞りを開けて…みたいな細かい設定もあるんですが、そのあたりはデジカメによっても違うので細かいことは言いません。露出補正は背景がほどほどに白く映るくらいに。白飛びしてしまうと取り込んだ後でソフト側の処理では救えなくなってしまうので、あまりビシッと明るくは撮らないことにしてます。

住友3M「フィルターライト」

 最近のデジカメは高画素・高画質なので、画質や操作性に特別こだわらない限りはすごいのじゃなくてもきっと大丈夫。ただ、マクロモードがワイド側固定でズームできないタイプになると、ゆがみの問題やマクロ撮影の楽しさという面ではちょっと厳しいところがあるかもしれません。携帯のデジカメなど、マクロ機能が付いてない場合はルーペや100円ショップの老眼鏡を駆使するのも良いでしょう。カメラよりも光を操ることが鍵を握るのです。

 あとは取り込んでレタッチ。傾き補正した後に明るさ調整してから切り抜きという具合で進行させていきます。まっすぐに撮ったつもりでも微妙に傾いているのは悲しい話。傾き補正は画質低下と隣り合わせなので、できることなら撮影の段階で傾き補正の必要がないくらいに決めたいところ。明るさ調整はガンマ値の事情により、Windowsの方は少々暗めに、Macの方は少々明るめに調整するのがコツみたいです。あとはWeb用に縮小して、シャープをかけた後に微調整。元写真がきれいに撮れているほどレタッチも楽で、できあがりもきれいです。

ぺんてる「Color Brush」×4

 このサイトも変に人間的な写真が顔を出すことがありますが、不自然な人間味は単なる力不足ですのでがんばらないといけませんね。文房具とデジカメに怒られない写真が撮れるようにがんばります。

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