サイコロ好きとして、この頭にドキドキさせられずにはいられません。ラミー「abc」の芯ホルダーです。abcといえば学童用で大の大人が使うもんじゃないとか、国内未発売だからって調子に乗るんじゃねえぞとか、それ以前にこのヒネリも何もあったもんじゃないネーミングはいいのかとか、とりあえずこの六角形の頭を見るだけでそんなつまらないことは忘れさせてしまう部分が大きいです。普段長いものや丸いものばっかり見てるせいか、目の前に立方体があると落ち着くんですよ。
安全性の観点からか、それとも子どもが恐がるからか、普通の芯ホルダーのようにチャックで芯をわしづかみにする男らしいしぐさはありません。その代わりに採用されたのが回転繰り出し式になっていて、奥で芯を押さえておいて、芯を繰り出したい時にサイコロを時計回りにくるくる回すことで、カリカリという心地良いクリック音と共に芯が繰り出されます。カリカリカリカリ…。静かで無段階的にに繰り出される内田洋行「Drawing Sharp D」のとはまた対照的で、「ちょっと変わった回転繰り出しを作りたい」というラミーのひそかなるこだわりなのかもしれません。
現在は仕事でうねうねと楕円を描く時などに使ってます。サイコロの4面部分にかわいいシールを貼っておくと、日本の子どもだってドキドキしながら振り向いてくれます。そんなabcはdestijlさんからの外国のにおいがするいただきもの。筆記具ブランドしてのラミーの美しい使い方と言うよりは、すっかり業務用というか、サイコロおたく色に染めてしまったことをこの場を借りておわび申し上げたいと思います。m(_ _)m